たまたま日本へ行った際にドバイでは乗ることができない(フェラーリなどとは違った意味で)スペシャルな車、2016年モデルのトヨタ・プリウスを借りて運転する機会があった。
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とにかくガソリン価格が安いドバイでは、プリウスの様なハイブリット車や、テスラの車、日産リーフの様な電気自動車は全く見かけない。
ハイブリット車は一部のタクシーか、金持ちが趣味で乗っているBMW i8をたまに見かけるくらい。電気自動車の流通に関しては今のところ皆無だ。
ドバイの電気自動車事情についてはこちら→「ドバイで電気自動車は普及するのか。ついでに中国車は?」
ところが日本では新旧プリウスをよく見かけた。やはり燃費/維持コストへの意識が高いからだろう。
というわけで、ある意味では日本を代表する車、プリウスに乗ってみた感想をいってみよう。
トヨタ・プリウス(2016年)のスペック
メーカー:トヨタ
モデル:プリウス 2016年モデル(4代目)
製造国:日本
販売開始年:2015年(初代プリウスは1997年から販売開始)
エンジン:1.8L 直4 DOHC + モーター
出力:エンジン 98PS
トランスミッション:AT
駆動方式:この車はFF
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インプレッション(感想)
2016年モデルで一新したルックスを写真で見た時は「ずいぶん奇妙なデザインだなあ」と思っていた。だが実車を見てみると意外と悪くはない。
だけどあまり好みではないな、このデザインは。なんというかデザインに無理矢理感があって有機的な美しさが無いというか・・・
この辺がイタ車などに比べると日本車の弱いところか。
「イタ車 vs 日本車」と言えば、おしゃれで遊び心があって、でもよくよく考えればイマイチ信用できないイタリア人彼氏 vs 真面目に働いて安定しているところが最大の魅力の日本人彼氏、どっちがいいかな、ってな感じ?
なんとなく国民性って商品に出るよね。
だが日本車はカッコと走りだけのイタ車と違って信頼性は抜群だ。世界のトヨタ様だ。
まずはエンジンスタート!!!
と(気持ちは)勢いよくスタート/ストップボタンを押すと・・・
あれ?
エンジンがかからない。
では、もう一回。
スタート!!
あれ??
エンジンがかからない。もう一回・・・・
何度もオン/オフを繰り返してしまいました。あまりにエンジン音が静かなためか、まずアイドリングストップ状態でスタートするためか、未だに何だったのかよくわかりませんが、どうやらそれでエンジンはかかっていたようです。
私が普段乗っているアルファロメオとは随分違います。
他にも普通の車と操作が違うため、最初は面食らいました。
ジョイスティックの様な操作性のATシフトの横に<<P>>ボタンがあるのだが、Pを解除して出発してもなかなか進まず「パーキングブレーキを解除してください」と警報が出る。っていうか解除してるじゃん、と無理やりノロノロ進んだがどうもおかしい。
そこでレンタカー屋の周りを一周して戻り、「なんか変なんですけど・・・」と店員に確認したところ・・・
「サイドブレーキが解除されてません」とのこと。
左足付近に変な突起があるなぁ、と思っていたらこれがサイドブレーキだった。
というか、電動式の「P」ボタンがあったらサイドブレーキは無いでしょ、普通。
まあこれも「念には念」がポリシーの日本人が作る車だからかな。
というわけで出発。
今回は羽田空港でプリウスを借り、私の実家のある長野県岡谷市へ中央道を通ってドライブする、という行程だった。
いつの間にか羽田から新宿まで環状道路ができており、非常に快適。そしてとにかくプリウスはとても静か。乗り心地も大衆向けの車としては非常に良いと思う。シートも体に合っているし。
そして中央道へ入る。中央道は長野県に入ると標高1000m以上ある地点を通過するので結構アップダウンがキツイ道路だ。プリウスは非力だと聞いていたので結構フラストレーションがたまるかと思いきや、なんのなんの結構十分なパワーが出るじゃないっすか。
ここで考えてみる。
ドバイと違って日本の道路は信号だらけだし、街中ではせいぜい時速5~60キロくらいしか出せない。車の数も多いから全開の加速をしたくても夜中に走らない限りほとんどその機会がない。そうなるとこのプリウス程度の加速で十分だなあと思う。
逆にフェラーリなんか乗ってたら、車の能力に反して無理矢理低速で走らなければならないからそれはずいぶんなフラストレーションだ。
自分が日本で車を買うならプリウスで十分だな。
ところで話変わるが、いつも海外から日本へ帰ってきて感じる事は、日本はとにかく情報が多い。例えば空港のバッゲージクレームでは「お荷物のご確認をお願いしまーす」と連呼していたり、商品にはやたらと宣伝文句が書き込まれていたり、家電量販店ではやれ何パーセントオフだの、機能の情報だの、おすすめ商品だの、文字が多すぎて目がチカチカしてしまう。親切が過ぎるとウザいの域に達するものもある。
プリウスもご多分にもれずピーピーうるさい。
インターチェンジに近づく度に「ビー!!ETCカードが挿入されていません!」と鳴る。1回ETC入れなかったら持っていないと思えよ、と言いたくなってしまうが、旅中ICが近づく度に警報音が鳴ってうざかった。
それからこのプリウスにはレーンをはみ出すと警報で知らせてくれるというたいへん親切(で余計)な機能が付いているのだが。
左ハンドルのドバイから来た私にとって、右ハンドル(左側通行)の日本ではついついレーン内の左側に寄ってしまう。その度に警報が鳴って非常にウザかった。まあ止める設定にできるのかもしれないが。
ところでプリウスの真骨頂、燃費です。
今回は5日間レンタルして500km強を走行しました。
それだけ走行して減ったガソリンはこれだけ。メモリ3つ。
すごい。さすが日本の技術。
これでもエコモードは解除して走ってました。これはさすがです。
勝手なまとめ
- さすが燃費はいいね
- 加速性や動力は、日本の道路事情においては十分
- だが走りが楽しい車ではない
- デザインは好みではない(好みによりけりか)
- 内装はバスルーム漆器を思わせる、やたらとプラスチック感の強い白い部分を除けば、まあOK
- ハイブリッドであることによる車体価格の高さを考えなければ、日本で一台車を持つならこれでいいかな、と思わせる車
- トランクスペースも充分のファミリー対応